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[第18回 高経年化 技術評価に 関する 意見聴取会] (7月 27日)
井野博満さんの 発言の 前半部分です。
(参考) 井野氏 意見書 http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/30/017/toujitsu17-1.pdf (pdf file)

最初の 意見 1-2 あたりだが 前回、評価時より 14度 超過していると いうことに 違和感を もったのは、前回 評価したときは JEAC 2007 は なかった、その 時点で ないものに もとづいて 書くのは おかしいのではないか。 それについての 回答は いただいていない。

この 予測法は フレキシビリティを もつと 書かれているが、その フレキシビリティが あるために 問題の 本質が 見えなくなるという 予測式でもある。 問題点を はっきり 検討するには、元の 式から やるべきだと いうのが 私の 意見だ。

評価の ときに 実際 どう 使うか、マージンを のせて 安全側を とるべきという 評価の しかたは 別としても、そういう 計算式を ベースに やるべきで、2007 で やれば 42度という 値が でてしまうと 書くべきだ。

2番目の 意見で わたしは わかりやすさのために 図3の データ点を 入れるべきではないかと いった。 この キャプションには 圧力容器の RT、NDT の 予測と 実測値と 書いてあるが 実測値は 載っていない。

回答には、これは 1/4 の 中性子速度に もとづいて 作成したため 実測値を 書くのは まちがいだと 書かれている。

わたしは ときどき まちがいだと いって 庄子さんに 怒られるのだが、本質的な ところでの まちがいなら いいが、これでは わたし以上に ケンカ腰の 書き方ではないか。

厳密に いえば、中性子速度が 違えば この 図には 載らないわけだが、中性子速度が ファクター 2 くらい 違っても 点は ほとんど 同じに くる。 そういうわけで プロットしたからといって まちがいと いうことでなく、その 点が あることで わかりやすい、そういう 表現に すべきだ。

厳密でないと いうのなら 中性子速度の 違いの 問題が あるという 注を つければ いいことだ。 データ点が ないと 見る人に わからないので キャプションどおり データ点を 入れてほしい。

意見 5 だが、拡散係数の 項の 記述で、拡散係数の 項には 10乗に 比例するはずとの わたしの 意見を まとめていただいた。

次に 「複雑な 物質現象の 基礎過程を 記述するもので なく 脆化に きく クラスターが 形成するまでの 複雑な プロセスを 簡単な 項により 記述するため 考えられた」 という 記述が あった。 たしかに 庄子さんなどは こういうことを いわれた。 だが 論文自体には 書いていない。

照射速度進行が 2乗に なっていて インデュースドの ほうは 1乗だが、誘起孔? は 1乗で いいのか 検討されたのか。 そういうことの 説明が 一切 書かれていない。 実際に それを やったのなら、プロセスを 何らかの かたちで 説明してほしい、その 確認を していただきたい。

予測式を どう 改善するかは 今後、議論するという 認識は わたしにも ある。

しかし 「規格は 学術的な 議論を ふまえ 学協会において 作成される」 という プロセスについて 実際、どう 考えているのか。

ここでいう 学協会というのは 電気協会の 原子力規格委員会を 指しているのか。 そうであれば その場が はたして 十分な 学術的議論が 公平、中立、客観的な 立場で 行なえるのか。 原子力事業者に 片寄った 議論が されるのではないかという 疑念が ある。

学協会で 今後、議論するのであれば ベースとなる 資料を 規格委員会以外の 研究者に 公開してほしい。

玄海 1号だけでなく 照射脆化の 高い 原子炉についても 同等の レベルで データを 公開してもらいたい。

11 以降で わたしの、批判を 考慮し 全面的に 書き換えるべきという 意見に 対して、一方からの 批判を 考慮して 書き換えることは できないと ある。

わたしは そのようなことを 求めているのでは ない。 逆に、一方の 意見のみを 考慮して 批判を 無視しないようにと いう 主旨だ。 両方の 意見を 考慮してほしい。

わたしの 批判は その 中身次第であり、これから 説明する。 それが 検討に 値するか 判断してほしい。