Hukusima Nuclear Plant

[NHK] "シリーズ 原発危機 「メルトダウン福島第一原発 あのとき何が 〜」" (12月 18日)
3ヶ月に わたる 100人の 関係者からの 取材と、最新の ソフトウェアによる 解析から 再現した 原発事故の 進展、と いうことだけど ...


1) NRTS (国立原子炉試験所) による セミスケール試験では、PWR 型 原子炉で 事故時に ECCS (緊急炉心冷却システム) が 作動しなかった 場合、炉心溶融から 圧力容器 破壊までの 時間は 30分から 1時間と 想定している。 福島第一原子力発電所の 今回の 事故でも、炉心溶融が 予想を 越えて 急速に 進展したわけでは ない。
2) U.S.A の 事故時手順書によれば、(主蒸気隔離弁等が 作動して) 圧力容器が 外部と 遮断されるため、手動で 非常用復水器 (Isolation Condenser) の 再循環系に つながる 弁を 開くと あるが、そうであれば これは 設計上の ミスと いうしかない (復水器に 蒸気を 逃す 配管に つながる 側の 弁は、SRV - 主蒸気逃し安全弁 - と 違い、常に 開放されている)。
3) LOCA (冷却材喪失事故) の 可能性について まったく 言及されない (放送後 twitter では ほんの少し 弁明してますが)。
4) 水位計の 故障を 炉心溶融による 水蒸気温度の 上昇と 関連づけているが、シュミレーションでの 事故の 進展の 速度と 実際の それが 異なる 場合には、あまり 意味を もたない (少なくとも 炉心溶融に 至るまでは 原子炉水位計が 正常に 作動していたと 考えられるし)。


結論を 出すには もう少し 時間を かけたほうが いいようですね。


(追記) 4) については、故障実験 そのものにも 疑問が あります。
圧力容器が 外部から 遮断されると、崩壊熱によって 大量の 水蒸気が 発生し、それに ともない 容器内部の 圧力が 急激に 上昇する。
あの 実験では、このことが 考慮されてないように 見えますね (水位計の 変化を 見るため、透明な ケースに 入れて 撮影してましたが、あれだと 数倍の 圧力が かかれば ケースは 破壊してしまいます)。
(追記 その 2) 「NHK 科学文化部」 twitter から
http://twitter.com/nhk_kabun/status/148347636754288640

... 最悪の 原発事故は 果たして 「想定外の 津波」 だけが 原因だったのか ...

そこだけ 番組から カットされてましたけど ;-)