読書ノート

[Bela Bartok] Mikrokosmos
Mikrokosmos -cr- Books 1-

世界各地の 多くの 民族音楽の 源泉を たえず 追求していくと、いたるところに 5音階に もとづいた 民族音楽の 世界的統一が あることが わかる。 ...

バルトーク自身、彼の 作品集 『ミクロコスモス』 (第2巻) で 真の 手がかりを あたえている。 これは 彼が 子供のために 書いたもので、「2つの長調 5音階 (penta chord)」と 題され、ハ長調嬰ヘ長調を 厳守している。

だから、この 音階は、対照的な 2つの 5音階と 見ることも でき、一種の 二重調性を 作り出している。 これが バルトークの 作品 -- ピアノ曲アレグロ・バルバーロ (Allegro Barbaro)」(注) -- に たいへん 進んだ 近代的な 和音の 感じを あたえているのである。

子供たちは、小さい時から、教会旋法の 5音階メロディを 習うわけであるが、もし 彼らが、ピアノを 2つの 5音階、いいかえれば、2つの 民謡 (両方の 音階に 共通な 補助音が 2つ あるが) から なりたっていると みることを 教えられれば、音楽教育の 時間を 短縮し、子供の 負担を 軽くするに ちがいない。

民謡という 音楽言語は、語る ことばと 同様、すでに 子供の 一部分に なっているのだから、彼らは すぐに この 2つの 5音階を その 相互関係、ことに 3全音関係の 実験を することを おぼえこむに ちがいない。

(注) この 作品では ハ長調と 嬰へ短調/嬰へ長調の 組み合わせ、および それより 5度 高い ト長調嬰ハ短調/嬰ハ長調の 組み合わせが 使われていて、9音階 -- ときには 10の 音階 -- から なっている。

ポール・ロブスン

CD も もってることだし、聞いてみようか ...
(追記) 「2つの 長調 5音階 (Two Major Pentachords)」は ミクロコスモスの 第3巻 (book 3) にある No.86 ですネ。 penta は pentatonik のこと。
(さらに 追記) pentatonik と pentachord とでは 音階に 少し 違いが ある。 pentachord は 音階が do-re-mi-fa-so のように 連続しているのに 対し、pentatonik では do-re-mi-so-la の ように 音階が 連続しない。 ハンガリーの 古い 民謡には、半音の ない pentatonik および 5度構成という 特徴が みられた。