読書ノート

[エスペラント - 異端の言語]
エスペラント―異端の言語 (岩波新書)
同じ 2月号に 田中克彦さんが Esperanto を どういう 視点から 取り上げたのかを 書いてる。

言語を 生物に たとえるのは (ヨーロッパで) 19世紀に 成立した 言語学が かかえ込んだ イデオロギーだが、言語は 決して 生物のように、それじたいとして、独立の生命を 営んでいるわけでは ない。 言語の存続は そのすべてを 人間に 依存している。 人間が その言語を 話すのを やめれば、言語も また 消滅する。

私が 昨年 岩波新書で 『エスペラント - 異端の言語』を 書いたのは、言語は 神、あるいは 「民族という神」から おしいただくのでは なく、人間が 人間のために、たえ間なく つくっていくものだという、私が やっと 到達した 認識を 背景に して、エスペラントの 意義を、あらためて 考えてみるための、ささやかな 一歩であった。