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[Agnieszka Holland]*1 Copying Beethoven (2006)
http://video.google.com/videoplay?docid=6175691899515605943 (video - 1時間 40分)
この映画を 観賞する上で 手元に 置いて 参考に してほしい 本が 一冊ある。
それは 小松雄一郎編訳の 『ベートーヴェンの手紙』(岩波文庫) だ。 映画で 扱われている 時代は 下編の ほうに 含まれている。
第九交響曲に とりかかったのが 1822年 (実質的には 1823年 10月から 翌年の 3月に かけて)、そして 彼の死は 1827年だから、映画は 晩年の 4、5年間に 焦点を あてていることが わかる。
Holland が 主人公を score copier に したのは おそらく 1825年の 次の 手紙に ヒントを 得たのだろう。

これ以上 (弦楽四重奏曲 - 作品 127 - の 譜面を) 早く 渡すことは 無理だった。 ほかの 作曲で 忙殺されており、これが 写せる 写譜者は 一人しか いないからだ。

なお 晩年 精力的に 作曲した 弦楽四重奏は 全部で 5曲 (フーガを いれると 6曲) あり、演奏会で 不評だったのは この 作品 127 (ただし それは 奏者の 未熟なため) であって、重病に 倒れる 前に 完成したのは 作品 130 のほうです。 Holland は そのあたりは 自由に 創作している ようだ ...
(一つ 付け加えると、訳者の 小松雄一郎は ベートーヴェンの 研究者と いうばかりでなく、戦前からの 社会運動家の 一人でも あったはずです)