scraps of incidents

部屋を かたづけていたら、古い スクラップブックが でてきた。

[内橋克人氏 インタビュー]

企業は 雇用制度の 多様化と 説明していますが、市場原理 一辺倒で 従業員に 対する 排出圧力を 高めています。 働く自由ではなく、働かせる自由を 拡大しているのが 実情です。

アメリカでは 電話 1本で 労働者を 呼び出して 雇用側の 都合のいいように 働かせる "On Call Worker" という 労働形態が あります。 日本も 似たような 状態に なりつつあります。

(小泉改革の 本質は) 雇用・労働においても アメリカ流の 勝った者が すべてを取る 「独り勝ち社会」に しようとしているのです。 100人の 努力した人の なかで、1人だけが 勝者となる。 残る 99人は 努力したにもかかわらず 敗者として 切り捨てられる。

つまり、格差拡大社会を 目指し、そのための 政策を 進めている。 このトリックを 見破らないと いけない。

(毎日新聞 2001年 9月 2日)


米国で 起きた 同時多発テロに 関し、イスラム世界では、テロ行為そのものは 厳しく 非難しながらも、内心では 快哉を 叫んだ人たちも 少なくない。

パレスチナ情勢の 悪化や、露骨なまでに 国益を優先させる 米政府の Uniteralism (一方的外交) に、原理主義者だけでなく、一般市民も 反感を 募らせているからだ。

今回のテロで 関与の疑いが 指摘される ウサマ・ビン・ラディン氏は、ソ連進攻に 伴う アフガン戦争 (79〜80年) 時代、米国と 協力して ソ連と 戦った。 それが 反米に 転換したのは、湾岸戦争 (91年) を 機に、米軍 約 50万人が サウジアラビアに 進駐したことが 発端だった。 イスラム教徒の聖地 メッカや メディナを 「異教徒」に 守られる 屈辱感は、やがて 米国への 強い 反発となった。

パキスタン人の ある新聞記者は 「まず 犠牲者に 哀悼を ささげたい」と 述べた上で
イスラムと 敵対し続ける 米国は あまりに 巨大で、直接 戦争を することは できない。 テロは 弱者にとって 唯一の 武器だ。 米国の 力と富の 象徴である 世界貿易センタービルの 崩壊を テレビで見て、内心、溜飲を 下げた」
と 打ち明けた。

(毎日新聞 2001年 9月 13日)


東シナ海の 不審船事件について、中国外務省は 23日、コメントを 発表し、不審船が 中国のもので ないことを 確認するとともに、同海域での 日本側の 武力行使に 懸念を 表明した。

コメントは 「われわれは 日本が 東海海域で 武力を 使用したことに 関心を 寄せている。 船の沈没と 人員の死傷事件には 遺憾を 表明する。 中国側は 日本側に さらに 通報を 求めている」と している。

中国側は、海上保安庁の 巡視船が 射撃し、不審船が 沈んだ地点が、日中が ともに 中国側の 排他的経済水域*1と 認めている 海域であることや、巡視船の方が 速かったことなどから、発砲の 必要が あったかどうか 疑問視している。 しかし、直接、中国が 絡んだ 事件では ないことから、「関心を 寄せている」との 慎重な表現に とどめた 模様だ。

沈没海域が 中国領海の 約 260キロ 外側であることだけを 明示し、中国の 排他的経済水域であることにも 触れていない。

(朝日新聞 2001年 12月 24日)

この年の スクラップは 少なく、いくつかの 判決文を 除くと、あとは イブラヒム・カディールの 9月 30日事件*2を 描いた 詩を、ガリン・ヌグロホが 映画化した 作品 「埋められない詩」の 紹介記事が あるくらいだ。
考えると、この どれもが 5年 たった 現在でも、解決されては いない。

*1:日中 中間線の 内側

*2:1965年 インドネシアで 起こった 大虐殺