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[東京原発] "榎本教授 ゼミナール" (その 1)
年末特別企画 ...
かな?
製作 2002年 公開 2004年
監督・脚本 山川元
配役:
都知事 役所広司
副知事 段田安則
産業労働局長 平田満
政策報道局長 内山涼成
都市計画局長 菅原大吉
財務局長 岸辺一徳
環境局長 吉田日出子
榎本教授 綾田俊樹
原子力安全委員 益岡徹
副知事: ちょっと 待ってください。 この件は 専門家を 交えて もう少し 議論すべきです。
副知事: 私が お呼びした 専門家です。
原子力安全委員: 原発の 安全性について 一言 申し上げます。 原発は 絶対 安全です。
大事故に つながる 危険性は、確率に しますと、分子を 1 とする その 分母は 天文学的数字に なります。
すなわち 危険性は かぎりなく 0 だと いうことに なります。 以上。
では 私は これで 失礼致します。
政策報道局長: 天文学的数字って いくつぐらいなんですかね?
財務局長: 具体的に できないから 天文学的なんだろ。
環境局長: よく わからないから ゴマカシてんじゃないの?
榎本教授: その通りです。
副知事: こちらは 東大の 榎本教授です。
物理学が 専門で、原発には お詳しいので、私が おいで願いました。
榎本教授: どうも。
副知事: 教授、まず 原発の 安全面のほうから お話ししてもらえますか?
榎本教授: 安全面というか 危険面というか、皆さんが まず 第一に 懸念されるのは、やはり 地震ということに なりますかね。
財務局長: 関東大震災の 3倍の 地震にも 耐えるんでしょ?
榎本教授: 私たちの 住む 一般建築の 耐震性は 200ガルですが、その 建築基準は 今から 70年以上も 前に 起きた 関東大震災のときに はじきだされたものです。
それも、震源から 50キロも 離れた 東京都心の 被害状況から 推定された 300 から 400ガルという 数字を もとに しております。
都市計画局長: え? 関東大震災って 東京が 震源じゃ なかったんですか?
環境局長: じゃあ、震源は どこだったんですか?
榎本教授: 相模湾内と 考えられておりますが 横浜、川崎あたりでは 最大で 900ガル以上 あったと いわれております。
環境局長: あの、先ほどから その ガルというのは 何なんですか?
榎本教授: 地震の ゆれの 加速度の 単位ですが、ちょっと これを 見てください。
静岡の 浜岡原発だけは 東海地震の 震源域の 真ん中に あるので、一般建築基準の 3倍の 600ガルの 耐震性に なっておりますが、他の 原発は 平均すると 400ガル程度です。
環境局長: でも、関東大震災は 900ガルも あったんでしょ?
どうなってんの これ?
政策報道局長: この 800 の 上の 赤い ライン、これは 何なんですか?
榎本教授: あっ、それは 記憶に 新しい 兵庫県南部沖地震の 数値です。 最大で 820ガル以上 あったと 記録されております。
政策報道局長: ということは 3倍どころか、大地震が 原発を 襲ったら ...
環境局長: ということは、ゴマカシてるわけ?
榎本教授: というより ウソです。
財務局長: ちょっと 待ってくれよ。 いくらなんでも そんな イイカゲンなこと、国が やるわけ ないじゃないか!
副知事: そうですかね?
阪神高速道や 海砂を 使った 新幹線の トンネルは、この国が いだいていた 安全神話と ともに、くずれ落ちたんじゃ ないですか?
ライ予防法の 隔離政策や 血液製剤や 肉骨粉が どうです?
今まで 国民は 何度となく 国に ダマサレてきたじゃ ないですか。
政策報道局長: まさか 原子炉が 海砂で できてるなんてこと、ないですよね?
副知事: これだけの 地震大国で 今まで 地震による 原発事故が 起こらなかった ことのほうが 奇跡ですよ。
財務局長: 奇跡が 何十年も 続くわけ ないじゃないか。
環境局長: だから いつ 起きても おかしくないって いってるの!
財務局長: じゃあ、関東大震災の 3倍の 地震なんて 来たことあんのかよ!
環境局長: 3倍じゃなくても 1倍でも ダメなの!
都市計画局長: もっと 現実的に 考えましょうよ。
ガルだの 何だの いったって、原発 止めれば 停電しちゃうんですよ。
榎本教授: 停電は しません。
一同: ええっ?
(続く)