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[ニュースの深層] "崎山比早子さん インタビュー" (6月 9日)
http://www.youtube.com/watch?v=AFFQoWhR9xg (part one)
http://www.youtube.com/watch?v=yvmPypN0fUY (part two)
http://www.youtube.com/watch?v=hIsI2qlmFFN (part three)
http://www.youtube.com/watch?v=qNw2reI7QQE (part four)
発言内容が 多岐に わたっているので、文字に 起こしてみました。

(崎山さんは これまで 市民の立場からの 科学者を 標榜 (ひょうぼう) してきたと 思いますが、その立場から (見て) 今回の 原発事故で 一番 問題になるのは どのあたりだと 思ってらっしゃいますか?)

原発事故が 起きたことですか?

(いえ ... )

起きたあとで 一番 問題だと 思うのは、起こした 人たち、例えば 文部科学省だとか 経済産業省だとか 原子力保安院、それから 安全委員会だとか 原子力委員会だとか、そういう (事故の) 責任がある 人たちが 事故のあとも ずっと イニシアチブを 取っていて、食品の 規制値を 決めたり 20ミリシーベルトまで ガマンしろと いったり 100ミリシーベルトまで 上げても ガンの死亡率が 0.5パーセント 上乗せするだの いってみたり、そういうこと 自体 (が) こういう 体制が すごく おかしいと 思うんですよ。

だから (自分たちの) 責任を 追求しないで ずっと 彼らが イニシアチブを 取っている、で みんな それに対して 疑問を もたないで 「どうしたら いいだろう、どうしたら いいだろう」 という感じで、だんだん ハウツーの 「どうしたら 汚染したものを 食べない (ためには) どうしたら いいだろう」 と そういうことばかり いって 「どうして こうなったんだろう」 と 考えない -- 考えてる人も もちろん いらっしゃると 思いますけど -- 表面に なかなか 出てこないというのが すごく やっぱり 一番 おかしいと わたしは 思いますね。

(まず 崎山さんに お聞きしたいのは 学校の 使用制限で 20ミリシーベルトなのか (それとも) 1ミリシーベルトに 抑える (のか) と いうことで ヒトモンチャク ありましたね)

はい。

(校庭の 被曝線量 20ミリシーベルトというのは どういうふうに 考えたらいいですか?)

どういうふうに 考えると いったって ...

(やはり 危険だと 考えるべきなのか)

それは そうですよ、わたしたちが いつも いってるし。

それから 国際的な 合意事項でも あることなんですが 放射線には 安全量が ないということを 考えて、ゼロから 線量に 応じて リスクは 直線的に 上がるということを 考えると、放射線は 浴びないほうが いい、ゼロのほうが いいわけです。

20ミリシーベルトというのが でてきたのは、最初は 原子力安全委員会が いったと いって、文科省が 地方の 学校、教育委員会に いった、と。 でも 後から フタを 開けてみたら 原子力委員会は そんなことは いわなかった、と。 非常に アイマイで、子どもの 健康という 非常に 重要なことに 関して 無責任に こういうことが 決まっていく。

と いうことは 非常に 問題ですし、だいたい 20ミリシーベルトと いったのは、地方の 学校に いったのは 文科省なわけで、文科省というのは 原子力政策を 安全です、安心ですと 宣伝してきたし (学校で) 生徒にも そうして 教えてきたわけですよね。

それで、それが 明らかに 失敗したわけで、まだ (事故は) 収束も してないし、これから 事故が どうなっていくのか 誰も わからない わけですよね。

そこには ものすごく たくさん 使用済核燃料が あるわけでしょ。 冷やすしか 方法が ないのに 冷やす水が どんどん 漏れていくという どうしようもない 状態が あるわけですよ。 明らかに 失敗じゃないですか。

それで、それが どうしようもなくて 20ミリシーベルトまで ガマンしろと いうふうに 文科省が いうこと 自体 (彼らに) いう 資格なんか ないわけですよ。

それは わたしは おかしい (と 思う)。

(別の 機関が 基準を 定めるべきだと?)

まず 最初に (子どもたちを) 避難させると いうこと。

自分たちの 政策の 失敗なんですから 何を置いても 子どもたちの 命を守ると いうことを (文科省は) 政策として 表に 出すべきじゃ ないかと。

(崎山さんの 考えでは ずばり 何ミリシーベルト以下では 使用しても いいと?)

わたしは 何ミリシーベルト以下だったら 安全という 線というのは なかなか 引けないと 思うんですよ。

もし 避難するとしたら、やっぱり 線量の 高いところの ほうが 被曝するわけですから、そういう所から 優先的に 避難していかないと (そこに) いれば いるだけ リスクは、子どもとか 大人も そうですけど、身体に 積もっていくわけですから、長くいれば いるだけね。

(われわれは 何も なくても 放射線を 浴びているわけですよね、それは 換算すると 1年で 何ミリシーベルトに?)

世界平均は (自然放射線量が) 2.4ミリシーベルトと いわれていて、日本は ちょっと 低くて 1.2ミリシーベルトと いわれていますよね。 それは 外部被曝だけじゃなくて、食物のなかに カリウムとか ありますよね、カリウム放射線も ありますから 内部被曝も あるわけです。

そういうものは 生活していく上に 絶対 避けられない、誰でもね。 生きてる、地球上に 生きてれば。 それは やむを得ない 被曝として わたしたちは 受け入れて 生活しているわけです。

それよりも 上に プラスされる 人工的な 放射線というのは なるべく 低く、低ければ 低いほど いい、(つまり) そういう コンセンサスです。

(文科省は (20ミリシーベルトという) 基準は 変えないけれど、1ミリシーベルト以下に するんだという 方針に したんですけれども、それに 関しては 1ミリシーベルトと 考えて よろしいんでしょうか?)

一般の 公衆の 被曝線量というのが、事故が ないときに 1ミリシーベルトと 一応 決まっていましたよね。

本当は ないほうが いいんですけれど、原子力を 使っている 社会だと、1ミリシーベルト以下 (の 数値) を めざすというのは なかなか むずかしいという、原子力産業とか (はっきり いえば) 核産業ですよね、そういうものが (日本に) あるかぎり わたしたちは ガマンさせられていると いうことに なるんじゃないかと 思いますけど。

(福島の 汚染地図を 見せられ)

チェルノブイリ事故が あって 30キロ圏内は 強制移動させられましたよね。 未だに 人は 住んでいませんから。

セシウムが 半分に なるのは 30年ですよね。 だいたい ここらへんの 汚染は セシウム 137 だと 思うんですけど、やはり (汚染の ひどいところに 人は) 住めないんじゃないですか。 30年 経ったって 半分にしか ならないんですから。

除染、除染って みなさん おっしゃいますけど、校庭とか なにかで すごく 局所的に 土を 取るとか そういうぐらいは できるかと 思いますけど、山全体とか 広い 範囲では (困難ですし)、そこの土を ちょっと 取ったところで、汚れた 葉っぱなどが (飛んで) きたりしたら 永久に きれいには なりませんから、限度が あると 思うんですよ、そうやって 土を 取って きれいにすると いってもね。

だから やっぱり 健康のことを 考えたら、避難ということが わたしは 妥当だと 思うんですけどね。

(どこから 完全に 避難したら いいんですか?)

(汚染の 度合は) 細かく 計測してみないと 分からないところが あるんですよね。

わたしも 一概に ここから ここまで (避難せよ) と いうことは いえない。 移住と いうことになると、家族だとか 社会だとか そういう いろんな 問題が でてきますから。

ただ、健康に 良くないですよと いうことだけは わたしたちは いえますけど。

お年寄りなんかは、もし 今の 被爆が 原因で 将来 ガンに なると いっても、例えば 30年とか 40年とか、今 60才だとしたら 40年後は 100才ですから、そういうことを 考えて -- 個人の 年令とか お仕事とか -- いろんな 条件が あると 思うんですけど、やっぱり 子どもや 妊婦さんとか ちっさい子とか 若い人は なるべく 離れたほうが わたしは いいと 思います。

(風評被害に 対して、個々人が どう 解決したら いいと 思いますか?)

風評被害という 言葉は わたしは すごく おかしい面が 多いと 思うんですよ。

本当に (食物が) 汚れていて それを 買わないんだったら それは 風評被害じゃ ない。 本当は 汚れていないのに 買わないっていうのが、それが 風評被害だと 思うんですよ。

本当の 意味の 風評被害を 防ぐためには、やっぱり 政府が きちっと 測って 線量というか 汚染度を 数字として 示したほうが いいと 思う。 それで 消費者の人は それを 見て 買う買わないと いうのは 自分で 決めるという 感じで。

だから 徹底的に (汚染度を) 測って -- もちろん 線量の 高いものは 市場に 出さないと いうのが 前提ですよ。

暫定基準と いうのは 決まってて、それも おかしいんですけど、これも 原子力安全委員会が 決めてるんですよね (注)。 ふつう 食物とか なんとかの 基準と いうのは 厚生労働省が 決めるんですけど、放射能に 限っては なぜか 原子力安全委員会が 決めてる。

(注) 原子力安全委員会・飲食物摂取制限に関する指標 (2010)

(汚染していなくても (測定すると) 数値は 少し 出てしまう わけですよね、自然被爆という レベルで いうと)

いいえ、例えば セシウムなんかは 汚染されてなければ (数値は) 出ないでしょう。

汚れてなかったら 福島県産だって なんだって いいはずで、どこで 取れても 汚れてなければ いいわけでしょ。 なにも 福島だけに 限った 問題では ないし、これから どうなるか わからない、(日本国内の) どこが 汚れるか わからないですからね。

(子どもの 場合は (放射線を) 浴びて DNA が 破壊されやすいと いうことは あるんですか?)

(大人と) 同じように キズは 受けると 思うんですよ。 ただ まちがえて 直す 機会が 多いだろうと、というのは、子どものほうが 細胞分裂が 盛んですから。

それで、キズが ついたのを 直すのは 一応 細胞分裂、DNA 合成を 止めて それを 直して、また DNA 合成することに なるわけです。

いつも いつも DNA 合成が すごい 盛んな 細胞だと、それが うまく いかないんだろうと 思うんですけど、子どものほうが (そうした) 感受性が 高いということが あるわけです、(つまり) まちがえて 直すと いうことです。

それと あと、子どもは 将来が 長いから、子どもは (細胞に) キズが つきやすいと いうことと 同時に、早々と キズが ついちゃうと、余命が 長いから 後の時間で ガンになる 確率も 高くなると いうことです。

(ポイントは、放射線 そのものが 蓄積されるのでは なくて、DNA に キズが ついて それを まちがって 直してしまうものが どんどん どんどん 蓄積されることによって ガンの リスクが 高まると ...)

そうです。

(多くの人は 放射線 そのものが あたかも 蓄積されるかのように 受けとってると 思われる ところが あるんですよ。 その 典型的な あらわれが、福島県だとか 茨城県の 北部の ほうの 人たちが 避難してくるというと、差別が けっこう あるんですよね、ニュースにも なってるんですけど。 これは まったくの 誤解だと いうことですよね。)

それは 全然 誤解ですね。

ということは、(放射線被曝を) 伝染病みたいに 思ってるんですか? ちょっと あり得ないですよ、そんなこと!

それに、差別っていう 感覚は 非常に おかしくて、もう 事故は 終わったと 思ってるんですかね。 例えば まわりの 差別する側の人が、自分が 明日 もしかしたら その人に なるかも わからないんですよ。

だって 事故は まだ 終わってないんですから。 日本全体に いくかも しれないし、地球規模の 汚染に なるかも しれないし、この 汚染と いうものを、原発事故と いうものを 自分の 問題として 考えると いうことじゃ ないと おかしいですよね。 もしか 福島に これ以上のことが 起こったら どう するんですか? 誰も わからない わけですから。

福島だけじゃ なくて、今 日本は 原発が いっぱい あるわけですよね、止めても (原発には) 使用済燃料は あるわけです。 浜松は 一応 止まりましたけど、使用済燃料は 依然として ある。 で、使用済燃料が 危険だと いうことは 今度の 4号炉で わかったわけです、そこは 動いて いなかったのに。

日本で 原発から 100キロメートル以上 離れている 地点というのは そんなに ないでしょう、北海道の 端っこ (ぐらい) ですよね。

(どこに 住んでたって) みんな 犠牲者になる 可能性が あるわけです。

これから いつまた 地震が 起こるか わからない、こういう所に (みんなが) いるわけですよね。

自分の 問題として これ以上 もう 原発事故が 起きないように、他の 原発も どんどん 止めていって -- 福島が こうですから、いくら 止めたって 安心できませんけど -- 少なくとも 動いている ときよりは 危険性は 少ないですから、どんどん 止めると いうような 連帯の 意識ですよね。

福島の 人たちは すごい 犠牲者なんですから ... 自分たちも いつ 犠牲者になるか わからない、だから みんな 連帯して、生きるために やっぱり 運動していくというか、そういうふうな 思考形式に ならないと ちょっと (日本の) 未来は ないんじゃないかと いう 感じが (わたしは) しますけどね。

(ここ 日本列島に 住んでる 人間にとっては 全員 当事者なんだという、)

そうなんです、全員 当事者なんですよ。 (だったら) 差別なんか している ヒマは ない、と。

疲れました ... oLr