読書ノート

[Rosa Luxemburg]
(つぎは、資本蓄積論か ...)
『資本蓄積論』が 『経済学入門』を 完成させる 過程で 生まれた 1つの 疑問を 解決するため 著わされたことは、その 序言に 記されている。

私にとって この 著述の 動機と なったものは、私が 久しい 以前から その 出版を 準備しながら、党学校 および (街頭での) アジテーション 活動に 妨げられ いつも 完成できずにいた、民衆向けの 国民経済学入門書であった。

資本制的生産の 総過程を、具体的連関 ならびに 客観的・歴史的制限のなかで 述べることは、私には できそうになかった。

さらに 立ち入ってみて 私が 到達したのは、ここには (そういった) 叙述上の 問題が あるだけでなく、理論的に マルクスの 『資本論』 第2巻の 内容に 関連し、同時に 今日の 帝国主義的政策 および その 経済的根底の 実際にも 関係する 問題が 存在している、という 見解であった。

ここでも Rosa Luxemburg は、「近世以後の 西ヨーロッパ勢力による 社会構成体の 世界的 再編成」 -- それは 現代の 帝国主義に 直接 結びついている -- への 関心を 持続させている。

共産主義的農業共同体は、封建制における 賦役農業 および それに 類するものと 同じく、その 経済的組織を、法律 あるいは 慣習において、最も 重要な 生産手段 -- 土地 および 労働の (共同体的) 拘束によって 基礎づけている。

それゆえ 資本主義は、つねに また あらゆる 場面において、その 衝突する 自然経済の 各々の 歴史的形態に 対し、すなわち 奴隷制経済・封建制度・原始的共産主義・家父長的農業経済に 対し、なによりも まず、その 破砕のための 戦いを しかけた。

この 戦いにおいては、政治的暴力 (革命、戦争)、国家の 租税による 重圧、そして 廉価な 商品 (の 供給) が、個別に あるいは 相互に 関連しながら、主要な その 方式 (=手段) を なしている。

ヨーロッパにおける (資本主義の) 封建制度との 戦いにおいて、暴力が 革命という かたちで 現われたとすれば (17-19世紀の ブルジョア革命は 結局 こうしたものだ)、ヨーロッパ以外の 国々では、暴力は、より 原始的な 社会形態との 戦いにおいて、植民政策という かたちで その 姿を 現わす。

自然経済社会との 戦いにおける 資本主義の 経済的目的は、次のように 個別化できる --

1) 生産諸力の 重要な 原資、たとえば 土地、原生林、獣類、鉱物 すなわち 宝石や 鉱石、ゴムのような (ヨーロッパ) 以外の 国の 植物性の 産物等々の 直接的な 占有。

2) 商品経済の 導入。

3) 工業の 農業 (共同体) からの 分離。

(この項 続く)