読書ノート

[Rosa Luxemburg]
経済学入門

われわれの これまでの 講義は、(古典的ヨーロッパで) 共同体的所有 および 計画労働 (経済) の (他民族 侵入による) 突然の 崩壊後、共産主義的 共同体における 諸関係が どのように なるか、と いうものであった。

実際、それは 商品 (交換) 経済の 歴史的 発生の 要約し 簡略化した 記述に ほかならず、その 記述は 基本的 諸特徴において 歴史の 真実と 厳密に 合致している。

当然だが、われわれの 記述に 対して、次のように いく分 修正を 加えなければ ならない。

(つまり、私有制への) こうした 転化を 突然の 暴力的 破局として 想像してみるのも、けっして まったくの 空想とは いえない。

その 想像は、原始的な 原共産主義的 諸民族が、すでに 高度な 資本主義の 発展段階に 達した 他の 諸民族と 接触した 場合、それが どこであれ、現実と 一致することに なる。

こうした 事例は、いわゆる 野蛮な、(あるいは) なかば 文明化された 国々が、ヨーロッパ人によって 発見され 征服された 多くの 場合に ひき起こされる。

スペイン人による アメリカ発見、オランダ人による インド征服と イギリス人による 東インド征服、また イギリス、オランダ、ドイツ人による アフリカでの 領土収奪の 事例 (すべてが) 同じである。

これらの 事例の 多くで、こうした 国々への ヨーロッパ人の 突然の 侵入は、その地の 原始的 諸民族の 生活に (深刻な) 破局を もたらした。

ヨーロッパの (わずか) 1つの 国による 土地の 征服、あるいは また、単に 商業を 目的とする そうした 土地への 数名の ヨーロッパ人 植民者の 定住でさえ、土地共有 (制度) の 強制的 廃止、土地の 私的所有による 分割 および 細分化、家畜群の 収奪 (という) 伝統的 社会の 急速な 変革が もたらされた。

ただ その 結果が、われわれの 仮定と 異なり、共産主義的 共同体から、商品交換を ともなう 自由な 私的生産者から なる 社会への 転化では なかっただけの ことである。

なぜなら、解体した 共有財産は 現地人の 私的所有には ならず、ヨーロッパからの 侵入者の 盗奪し 強奪した 財産と なり、現地人 自身は、 彼らの 従来の 生活形態 生存手段を 強奪され、(プランテーション等の) 賃金奴隷と なるか あるいは ヨーロッパ商人の 単に 奴隷と なるかであって、その どちらにも なれなければ -- (不必要と されて) ただちに 撲滅されてしまう。

こうして、すべての 植民地における 原始的民族にとって、その 原始的な 共産主義的形態から 近代的な 資本主義的形態への 移行は、 もっとも 恐るべき 苦悩に みちた 言語に 絶する 不幸事として あらわれた。

商品生産 (3)

次は、マルサスと バナナ。