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[Marilou Diaz-Abaya] "Jose Rizal" (1998)

Jose Rizal は U.S.A. 侵略前の、スペインの 植民地だった 時代に フィリピンで 活動した 言論人だ。 では ここに 描かれた 内容は 遠い 過去の歴史に すぎないのだろうか?
1898年、ハバナにおける 戦艦メイン号 爆沈に 端を発した スペイン-U.S.A.戦争では、U.S.A.は その キューバ侵略と 並行し フィリピンの 征服を 企てた。
この 設計図を 書いたのが 当時の 海軍次官で 後に 大統領となる、セオドア・ルーズベルト その人だ。 そして 親族である フランクリン・ルーズベルトも その 大統領の 任期に あった 際は セオドア・ルーズベルトの こん棒外交を そのまま 踏襲している。 それは T.V.A.等、彼の ニューディール政策という 進歩的な メダルの 隠された 裏側だった。
彼らは 当初 「フィリピン共和国」軍を 援助し、スペインが 退去すると 今度は その 弾圧に 乗り出した。

アメリカは、フィリピン民衆の抵抗をうちやぶるために、1899年 2月から大部隊による軍事行動をおし進めた。

この征服戦争は、1902年 7月におわったと公式には宣言されたが、実際にはその後なお 4年間続き、ミンダナオ島では 1913年まで継続した。

この間に、キューバで (そして フィリピンで) スペイン軍がおかした蛮行 -- 非戦闘員の殺傷、拷問、そして強制収容所が、アメリカ軍の手でそっくりそのまま再現された。

(小此木真三郎アメリカ帝国主義の成立」)

Jose Rizal の 悲劇は 終わらなかった。
フィリピンでの 弾圧が 続くなか、当時 日本に いた 章太炎は 書いている、

およそ人民を財産として売却する者は法律によって罰せられ、世論もまたもっとも野蛮だという。

しかしフランス人はカナダをイギリスに売り、スペイン人は ... フィリピンをアメリカに売り、その領内の土地・住宅・人民の一切を、ブローカーのやり方で他人に売り渡し、買い手も恥じることなく受けとった。

一人二人を売却する者に比べれば、百倍も野蛮ではないか。(「民報」 6号、1907年)

そして 第二次世界大戦が 勃発し、次に フィリピンは 日本軍の 侵略に さらされることとなる ...
(フィリピンが U.S.A.の 従属国として まがりなりに 独立を 果たすのは 1946年まで 待たねば ならなかった)
(追記) Gutenberg.org にも 彼の 著作が いくつか 収録されてますネ。
"The Social Cancer" Jose Rizal (http://www.gutenberg.org/files/6737)
(さらに 追記) ちょっと 訂正。