miscellanies

[King Leopold's Soliloquy]
Malcolm X は 確かに Mark Twain の この小説を 読んでいた。

私は 今日、マーク・トウェインが ベルギーについて 書いた 『レオポルド王の独白』 という 本を 読んできたところだ。

この本には ベルギーが コンゴを 征服したときの 人口は 約 3000万人であり、ベルギーは これを 1500万人に 減らしたと 述べられている。

(1964年 11 月 コンゴ動乱についての 討論会において)

マーク・トウェインは 歴史家でなく その数字には 信頼が 置けないという 反論に 対し Malcolm X は、

自分のことを 歴史家だと 自称している あなたが 御存じの 連中は 真の 歴史家ではない。

だとし Mark Twain の 小説こそが コンゴの 歴史的事実であると 高く 評価する。
また 過去の 歴史を 振り返ることも たしかに 重要だが、討論会の 主旨は あくまで 現代の コンゴ問題の 検討にあるとする 発言へは、

人は コンゴ人への 非難を 正当化するための 唯一の 手がかりとして 新聞が コンゴ人を 叩いている 事実に 依拠している。

と、マスメディアによる 報道が 全てでは ないことに 注意を うながし、

しかし 人々は 歴史を ひもといて ヨーロッパ人に 対し コンゴ人が 何ゆえ そうした行動を とったのかという点を 明らかに することが 重要である。

と 指摘、かつての 歴史的事実が 現在の コンゴ問題 - 1964年の - へと 直接、繋がっていることを Mark Twain の 小説から 引き出している。

たしかに それ - コンゴ人による 白人 (抑圧者) への 報復 - は ニュースだ。

しかし 黒人の女性が ゴム採集の ノルマを 達成できなかったとき、抑圧者たちが 彼女らの 乳房を 切り取ったことも 同じく ニュースだと 思う。 (奴らは また) 彼女らの 手や 足を 切り取ったのだ。 これは 歴史的な 事実である。

したがって 白人の 諸君が 今日の コンゴ人の 報復行為を 話題にする その時、コンゴ人は (こうした) 歴史的事実を 頭に 描いているわけである。

討論会での 発言のため、意に満たないところは 見受けられるが、Malcolm X の 意図するところは 明白だと 思える。


(おまけ) Gordon Parks による Malcolm X の ポートレート
http://www.pdngallery.com/legends/parks/large_pages/11.shtml