miscellanies

崎山氏の 理不尽な 暴露工作によって、sarasa さんの page が 閉鎖された。
彼の 意図が どこに あったかに ついて ネット上で 議論されているが、それを 一言に 集約すると intelligence という ことだろう。
辞書を 引くと、知性、情報 あるいは 報道、と 載っているが、この場合 "謀略" と いったほうが 本来の 意味に 近い。 情報操作の "情報" が これに あたる。
また、intelligence は 諜報とも 訳せるが、それだと 国家による 市民生活の 監視という 意味が 強調されて、上の 論旨とは ずれてしまう。 どうも この単語は うまく 訳せない。

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かつて 東欧の 国々が 社会主義体制から 離脱していったとき、意外なほど 影響を 与えたのが、VOA (Voice of America) による 謀略宣伝で あった (その 経緯を、マスメディアでは 東欧の 「民主化」と 称しているが、ぼくは 地方権力による 民族国家の 分割/資本主義的 再編成だと 考えている)。
テレビジョンで VOA が 流す 映像を 見ながら、人々は 思ったわけだ、「西ヨーロッパには "ハンバーガーショップ" がある !」と。
発信元の CIA でさえ、こんな 単純なことが、人々の 心情を 動かすとは 考えていなかった フシが ある。 連中は その頃、共産党内部の 醜態を 暴くことに 忙しかったのだから。
この「映像による 謀略」という 手法は、ヒトラーのラジオ 以来、最大の 成功例だろう。 ただし、成果は そこまでで あり、それ以後 急激に その 効力を 減少させてしまった。
その 理由の 1つに、放送網に 対する コントロールの 完成が あげられる。
U.S.A.だけでなく、ヨーロッパに おいても フランスを 典型として、テレビジョン ネットワークが 完全に 政府の コントロール下に 収まってしまったのだ。
「敵対する 国家の 非難」 と 「自らの 体制への 賞賛」 とが、連日 どのスタジオからも 流されれば、いくら スキャンダルで 味付けしたところで、受け取る 側としては やりきれない。 たとえ 口では 同意したと しても、だ。
自分たちの 実際の 生活が、それぞれが 考える 良い方向に 向かっているのなら 別だが、それは 現実には あり得ない。
かつて 東欧で、VOA の 流す 画面が 信じられたのは、少なくとも 自分たちの 体制からは "自由" だと 人々が 思った 結果だろう。 その多くが 幻影でしか なかったとしても。
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インターネットの 世界では、その システム上 "自立分散性" という 特性が あり、それを 一定の コントロールの 下に 置くことは 非常に 困難だ。
現在、警察/検察が、法に 違反してまで、プロバイダーに log の 提出を 強要するのには ここに 理由がある。
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たとえ インターネットといえども、現実の 社会の上に 成り立っている 以上、直接 間接に 影響を 被るのは 免れ得ない。
2ちゃんねるへの マスメディア側からの すり寄りが 懸念されているが、もし 2ちゃんねるが 崩壊するとすれば、それは 内部からだろう。 意図的な 情報を - 虚偽で あることを 隠蔽する 必要から "正確な" 事実を つけて - 流すことも 考えられる。 これが intelligence だ。
たとえ 膨大な 情報量を もっていたところで、それが ネット上にしか 存在しないのであれば、議論が 活発化しているように 見えたとしても、結局 人々は 掲示板から 離れていってしまう。
マスメディアを 流れる ニュースを 考えれば、そのことが よく 理解できるはずだ。そして それを - 意図せずして - 焙りだしたのも インターネットの 世界だった。 なにも 連中と 同じ 轍を踏む 必要は ない。
(追記) 3つの part に (4つ かな?) 分けてみた ...